犬は元来、獲物を捕らえ食べていた肉食獣でした。その証拠に、歯やあご、消化器官が発達し、肉を丸呑みしても一気に消化するほどの大きな胃袋を持っています。とはいえ、犬に肉さえ与えていれば良いかというとそうではありません。人間と同じように、たんぱく質、脂肪、炭水化物の三大栄養素にビタミン、ミネラルは欠かすことができません。特に発育期の子犬には、バランスのとれた食事が必要です。しかし、犬は短期間に成長するので、各栄養素の摂取量は人間とはかなり違ってきます。まず犬の一日の必要な栄養量をよく知ること。よく食べるからといって同じ物を食べさせる事は偏食を招き、肥満などさまざまな病気の引き金になります。健康維持はまず食事が基本、犬に合った量、与え方を工夫してください。
| 成犬 | 子犬 | |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 4.8g | 9.6g |
| 脂肪 | 1.1g | 2.2g |
| リノール酸 | 0.22g | 0.44g |
| カルシウム | 242mg | 484mg |
| リン | 198mg | 396mg |
| カリウム | 132mg | 264mg |
| 塩化ナトリウム | 242mg | 484mg |
| マグネシウム | 8.8mg | 17.6mg |
| 鉄 | 1.32mg | 2.64mg |
| 銅 | 0.16mg | 0.32mg |
| マンガン | 0.11mg | 0.22mg |
| 亜鉛 | 1.1mg | 2.2mg |
| よう素 | 0.034mg | 0.068mg |
| セレン | 2.42マイクログラム | 4.84マイクログラム |
| ビタミンA | 110IU | 220IU |
| ビタミンD | 11IU | 22IU |
| ビタミンE | 1.1IU | 2.2IU |
| ビタミンB1 | 22マイクログラム | 44マイクログラム |
| ビタミンB2 | 48マイクログラム | 96マイクログラム |
| パントテン酸 | 220マイクログラム | 440マイクログラム |
| ニコチン酸 | 250マイクログラム | 500マイクログラム |
| ピリドキシン | 22マイクログラム | 44マイクログラム |
| 葉素 | 4.0マイクログラム | 8.0マイクログラム |
| ビオチン | 2.2マイクログラム | 4.4マイクログラム |
| ビタミンB12 | 0.5マイクログラム | 1.0マイクログラム |
| コリン | 26マイクログラム | 52マイクログラム |
生後間もない子犬はよく下痢をすることがあります。その多くは食事の与え過ぎが原因。消化器官が発達しているとはいえ、子犬はまだ胃や腸などの消化器官が小さく、消化力も弱いからです。むやみに与えすぎるとトラブルのもとですから、ちょうどよい食事の回数や量を知っておきましょう。生後3ヶ月までの子犬は1回の与える量を少なくするのがポイント。そのかわり回数を多くしてやります。@生後3ヶ月頃まで 3〜5回
- 食事回数の目安
A5〜6ヶ月まで 2〜3回
B8〜12ヶ月まで 2回
C1歳すぎ 1〜2回
D老犬 3〜4回 子犬の食事回数に戻します。
では与える量はどうでしょう。犬種によっても違いますが、成犬の場合、体重1キロ当たり約80カロリー、小型犬では約100カロリーが必要ですが、発育が著しい子犬では成犬の2倍のカロリーを摂らなければなりません。といっても、毎回カロリー計算をしていられません。そこで食事量の目安になるのがドライドッグフード。ドライフードには1日の給与量とカロリーが標示されています。商品によってもわずかに差がありますが、成犬用では100グラム当たり約360カロリー。犬の体重をもとに基礎代謝エネルギーを計算していますから、あなたの犬の体重を知ることが大事です。もちろん、食べ方には”個犬差”がありますが、体重に見合った食事を与えていれば、肥満は防げるわけです。月に1度は体重を量りましょう。
分量の与え方
- ドライドッグフードは体重に見合った量を与える
- 残すようなら多すぎ。次回から少し減らす
- 食事が終わっても食器から離れないのは不足。
次回は少し量を増やす
人も犬も寒暖の差が激しいと、体調を崩しやすいもの。犬は特に暑さに弱く、食欲が落ちるので季節に合った食事をこまめに心がけてやりましょう。
春
- カロリーを控えめにして、十分な運動を。
夏
- 食物が腐りやすいので、涼しい時間に早めに食事を与え、夕食は涼しくなってから与える。
- 食物は必ず火を通し、腐敗させないこと。与えた食物を残したらすぐ片づける。
秋
- 食欲がでてくる季節だが、与え過ぎないように。
冬
- 体温を保持するために、カロリーは多めに摂る。特に短毛種は夏より2割アップ。
犬にタブーの食べ物
固い骨
- 口内やのどに刺さったり、消化器官を傷つける
甘い物
- ケーキやチョコレートは肥満のもと
タマネギ
- ネギ類は犬の赤血球に対して強い毒性があり、食べると、貧血や血尿などの中毒症状を起こす。
鳥のささ身・赤身の肉
- 良質のたんぱく質だがリンが多く、肉ばかり食べているとカルシウム不足になる。肉類だけにカロリーを依存しないこと
ドッグフードは多種多様です。なかでもドライタイプは、保存性に富み、しかも栄養のバランスがとれた完全食、便利で経済的なことから、幅広く活用されています。メリットの多いドライフードですが、保存性を高めるためにはさまざまな食品添加物も加えられています。便利さの裏返しを考慮しながら、上手に与えていきましょう。@ドッグフードの特徴をよく知り、毎日同じ物を与えず、ときには手作りのものを。
- 与える時の注意
A犬が好む全肉タイプばかり与えると、栄養が偏ってしまい、偏食、肥満のもと。必ず他の食べ物とまぜて食べさせる。
B必ず新鮮な水と飼い主の愛情をそえて与えること。
| 特徴 | 長所・短所 | |
|---|---|---|
| ドライタイプ | 水分10%以下の固形タイプ丸い粒状のもの成分は穀類が中心 | 保存性があり 値段も手頃で経済的 栄養バランスがとれた完全食 |
| セミモイストタイプ | 水分25〜35%前後。 やわらかタイプ 成分は肉中心 |
柔らかいので、幼犬の離乳食 向き。ドライよりも栄養価は低く、 保存はきかない |
| ウエット タイプ | 水分75%前後。肉や魚を ペースト状にした缶詰めタイプ。全肉タイプが多い |
嗜好性は最高だが、値段が 高く、保存がきかない |
犬も6〜7歳になると老化現象が始まります。年をとると活動が鈍り、目や耳、鼻、内臓の各器官の働きも衰えてきます。自慢の歯も弱ってきて、歯槽膿漏など歯の病気も進みます。犬も人間も同じ、加齢が進むとあちこちに障害がでてきます。消化能力も低下するので食事も消化しやすく高カロリーのものを与えてやりましょう。
老犬の食事の与え方 @人肌程度に温めてやること
A消化の悪い物は与えない
B柔らかめの物で、回数も子犬と同様の3〜4回。
C新鮮な水を欠かさない。
運動量が減れば当然消費カロリーも減るわけですから、食べる量が少ないからといって、そう心配することはありません