●症状 貧血や黄疸のほか、多量摂取による急性中毒の場合には1〜2日後に赤や赤褐色の尿が出て、さらに下痢や嘔吐、心臓の鼓動が速くなる、脾臓がはれる、眼の結膜が白っぽくなるなどの症状がでます。すべての犬に発生するとは限りませんが、ネギ類は与えないように。
●原因 人が犬に与えた食事、あるいは犬が勝手に食べてしまった食事にタマネギなどネギ類が入っていたことが原因。ネギ類に含まれているアリルプロピルジスルファイドが、溶血やそれに伴う貧血を引き起こします。ハンバーグやすき焼き、またその煮汁も量が多ければ中毒の原因になります。犬の体重1kg当たり15〜20のネギで中毒をおこすと言われています。
●治療 重症の場合は、輸血が必要です。家庭で食べてしまったときは、すぐに吐かせるようにしてください。吐痕(とこん)シロップを飲ませるなど・・・
●症状 嘔吐や下痢、多尿、興奮、発熱、不整脈、運動失調、筋肉のけいれん、発作などの症状がみられ、また腹痛や血尿、脱水を引き起こす場合もあります。ときには昏睡状態から死に至ることも。
●原因 チョコレートを大量に食べてしまったことが原因。チョコレートに含まれるテオブロミンによっておこります。テオブロミンはチョコレートパウダーやシロップなどの製菓用チョコレートや、ココア、コーラ、お茶にも含まれています。体重1kg当たりの致死量は250〜500mgと言われており、これは製菓用チョコレートでは約20〜40gになります。犬が口にできるところに置いておかないよう十分注意してください。
●治療 症状に応じて、排泄の促進や点滴輸液、胃洗浄、活性炭の経口投与などを行います。
●症状 倦怠、嘔吐、よだれ、部分的な筋肉のけいれんなどの症状にはじまり、重症になると全身けいれんをおこします。
●原因 炭化水素を含む塩素系殺虫剤をなめたり、大量に吸ってしまった事が原因。皮膚に付着した場合も、量が多ければ接触性皮膚炎をおこします。
●治療 解毒剤として硫酸アトロピンを投与し、皮膚に付着している場合は皮膚を洗浄します。点滴輸液を行うこともあります。
●症状 倦怠、下痢、嘔吐、よだれ、運動失調、筋肉のけいれんなどがみられます。重症の場合には呼吸困難となり、全身けいれんをおこしたり、昏睡状態に陥る場合もあります。
●原因 トリクロロフォンやマラチオンなどを含む有機リン系の殺虫剤をなめたり大量に吸いこんでしまったことが原因。これらの物質は、脳のはたらきを正常に保つ血液中の酵素コリンエステラーゼのはたらきを化学反応によって抑えてしまいます。なお、ノミ取り首輪にも、同様の物質を含んだものもあるので、説明書に従って注意して使用してください。
●治療 アトロピンなどを解毒剤として投与します。
●症状 歯肉、目、鼻、関節、皮膚など各部位からの出血があります。血便、血尿、脈拍が速くなる、元気がなくなるなどの症状も見られ、大量摂取の場合は死に至ることもあります。
●原因 殺鼠剤を食べて死んだネズミを、犬が食べてしまうことによって二次的に感染することが多いようです。殺鼠剤に含まれるワルファリンがビタミンKを破壊することにより、血液を凝固させる能力のない異常タンパク質が肝臓の中にたまるためにおこります。
●治療 犬の血液をすべて新鮮なものと入れ換える全身輸血がもっとも有効的ですが、保存血液量の不足などの問題もあり、簡単ではありません。一般的には、早期に発見してビタミンKを投与すればだいたいよくなります。製品によっては1ヶ月くらい中毒が続くこともあり、その間、薬の投与を続けることになります。
●症状 よだれ、筋肉のけいれん、運動障害などが見られ、ひどくなると立ち上がれなくなり、意識を失い、呼吸困難に陥って死に至ることもあります。
●原因 メタルアルデヒドを含む殺鼠剤は、カタツムリやダンゴムシなどの駆除剤としても使用されます。これを散布した植物を犬がなめたり、犬の食べ物にまぎれこんだカタツムリの死体を食べてしまったことがおもな原因です。
●治療 すぐ病院へ連れていき、胃の洗浄やブドウ糖の点滴など適切な処置をしてもらいます。呼吸困難や血液循環などの管理も必要です。摂取量が少ない場合には自然に回復することもあります。
●症状 除草剤が体内に入ると、胃腸に強い刺激を与えるため、嘔吐、下痢、血便などの症状を引きおこします。その結果、脱水症状や呼吸不全をおこし、死に至ることもあります。
●原因 除草剤がついた雑草を直接なめた、あるいは足の裏に付着した除草剤をなめたことなどが原因としてあげられます。除草剤のなかでも有機ヒ素系やフェノール系は毒性が強く危険です。
●治療 すぐに病院へ連れていき、治療を受ける必要があります。解毒剤の投与と並行して、輸血、血液や尿のチェックなどを数日間、集中的に行います。
●症状 下痢や嘔吐のほか、てんかんに似たけいれん発作を繰り返します。
●原因 古いペンキや絵の具、バッテリー、リノリウム(床材)など、鉛入りの製品をなめたり飲み込んでしまったことが原因です。
●治療 消化器官内に鉛製品があることが確認できれば、その摘出手術をするのがもっとも有効的です。症状や検査の結果によっては、鉛吸着剤を投与して鉛を体外に排出させます。
●症状 摂取した薬によって、症状はさまざまです。
●原因 犬用処方薬の過剰投与や、人間の薬を犬がなめたり飲み込んでしまったときにおこります。
●治療 摂取した薬によって治療法も異なります。すぐに病院へ連れて行き、適切な処置をしてもらってください。
◆犬が喜ぶからといって人間の食事を与えない。
◆犬の食事を手作りするときは材料に気をつける
◆むやみやたらに植物を口にしないよう、子犬のころからしつける
◆薬品や殺虫剤などは犬の届かないところに保管する
◆散歩の際は、除草剤がまかれている道や、農薬がまかれている畑に入らない。雑草などの一部が枯れている場合は、そこに除草剤がまかれた可能性が高い
◆冬場は酸欠にも注意(二酸化炭素中毒)
ポイント
◆原因の製品の容器などを見て、応急処置の説明があればまずそれに従って処置する。
◆オキシドールまたは飽和食塩水を5〜10分おきに1〜10ccずつ、有害物質を吐き出すまで強制的に飲ませ、その後で、ミルクや水、活性炭などを飲ませる。ただし、酸アルカリ、塩素系、石油化学製品の場合は、絶対に吐かせないこと
◆皮膚についた有害物質を、念入りに水で流す
◆応急処置に慣れていないと、かえって危険を伴うので、至急病院へ連れていく。病院へは原因の製品の容器を持参するか、成分をメモしていくと、獣医師もすばやく診断でき、適切な処置がとりやすくなる
【吐かせるとより危険なもの】
◆酸アルカリ(トイレ用洗剤、換気扇用洗浄剤など)
腐食性が強いため、嘔吐したときに消化管の粘膜を損傷してしまう
◆塩素系(漂白剤、カビ取り剤など)
腐食性が強いため、嘔吐したときに消化管の粘膜を損傷してしまう
◆石油系(灯油、マニキュア、除光液など)
揮発性が強いため、嘔吐したときに、気管に入ると肺炎をおこす
◆薬品(ショウノウなど)
けいれんを誘発することがある